おいしいお茶の入れ方
極意1 沸騰させたお湯を冷ます。・・・お湯の準備、お湯を冷ます
極意2 お茶の葉は多めに。・・・お茶の葉の量
極意3 お茶の葉が開ききらないうちに。・・・お茶の抽出時間
極意4 湯呑に均一に注ぐ。・・・お茶の注ぎ方
極意5 最後の一滴まで注ぎきる。・・・2煎目もおいしく
極意6 お茶の葉を継ぎ足しはせずあけかえる。
あとは、「おもてなしの心」を加えてくださいね
極意1 沸騰させたお湯を冷ます。
おいしいお茶を飲むためには、良い品質の茶葉を用意し、茶葉に合った正しい入れ方を知るとともに、水に対する気配りも必要です。といっても特別なことをする必要はなく、家庭の水道水でも十分です。ただし、水の臭みなどを抜くために必ず一度沸騰させたものを使います。お茶は高級なものになるほど低温に冷ました湯を使いますが、どうせ冷ますからといって沸騰していない湯を使うのは禁物です。
<お湯の準備>
●浄水機があれば通しましょう。
●水は前の晩に汲み置きしておきましょう。
朝、蛇口をひねって出てくる水は、夜の間に水道管や貯水タンクの中であまり動かずにたまっていたもので、 分子が大きく、鉄分も多くなって水質が落ちています。夕方、夜の水道水は、日中頻繁に利用された後も、夕食の支度や後片付け、入浴など水道が多く使われるため、水の流れが良く質も良いので、前の晩に水道水を汲んでやかんなどに入れておいた水を沸かす方が良いのです。
さらに、水にこだわるなら・・・ 木炭を入れた桶に、前の晩のうちに水を汲み置きしておきましょう。木炭が異臭を吸収します。また、桶、たらいが良いのは、空気に触れる面積が広くカルキが抜けやすいからです。そして、その水をミキサーで攪拌(かくはん)します。水分子が細かくなりカルキが飛ばされます。その水をやかんで沸騰させます。やかんの中に木炭を入れておくのも良いでしょう。
水にはいくらかのミネラル成分が含まれております。ミネラル成分が無い水を「純水」と呼び実験室で作られます。どちらの水を沸かしてお茶を入れるとおいしいかと言うと、10人中10人がミネラル の含まれた通常の水のお茶を選びます。又、水のまま飲む場合も同じです。カルシウムやカリウムなどの「塩基」がお茶の「うまみ成分」である「アミノ酸」を引き出す役割がある、と言う事です。料理の隠し味として「塩」を加えるのも同じ理由です。コーヒーでも人によっては「塩」を入れる方 もいるそうですし、又、「料理酒」にも「塩」が入っています。ある程度必要なミネラルも多くなると、酒、紅茶にも向く様です。
●お湯は必ず沸騰させます。沸騰したらすぐに火を消さずに、弱火にしてやかんの蓋を開け、5~6分沸騰を続けます。沸騰する事でカルキが飛ばされると共に、水同士が激しくぶつかりあって分子が細かくなります。
<お湯を冷ます>
お湯は、人数分の湯呑みに入れて冷ましておきましょう。湯呑みを温めておく効果もあります。茶葉がお湯を吸収する分を考えて、すこし多めにお湯を入れておきましょう。
お湯の温度が高くても低くてもお茶の「甘味成分」「うまみ成分」は同様に抽出されますが、「渋味成分」は低温度だと抽出されにくくなります。 ですから高温度ですと必要以上に「渋味成分」が出過ぎてしまい、甘味やうまみが隠れてしまいます。しかし「渋味」は味の欠点ではなく必要な要素です。その微妙な兼ね合いと香りも楽しめる温度が煎茶の場合は70度~80度位です。最近は温度設定のできる電気ポットも市販されているので、より手軽においしくお茶を楽しめるようになりました。
逆に番茶やほうじ茶、玄米茶は、お湯を冷まさないで高温でさっと入れるのが良いとされています。お茶の種類、ランクに合った入れ方があるので、購入時にお店で聞くとよいでしょう。
お湯の温度の目安 | (温度) |
沸騰したお湯 やかんからポットに移し変える ポットから湯冷まし(湯呑でも良い)に移しかえる 2~3分間湯を冷ます |
100度 約92度 約85度 約75度 |
極意2 お茶の葉は多めに。
お茶の味を左右するのは、茶葉の量、お湯の温度、抽出時間(茶葉にお湯を注いでから湯飲みに注ぐまでの待ち時間)です。まずは、人数分の茶葉を急須に入れましょう。
<お茶の葉の量>
一般的には、玉露や煎茶の上級なものほど多めの茶葉を使い、低温のお湯でゆっくり時間をかけて出すようにします。一杯分の湯量80CC~100CCとすると、 一人分で3g、二人分で5g、3人分で7g、五人分で10g、が目安です。良く「茶さじ一杯」と言いますし、春木屋の100g缶詰茶のキャップは計量キャップになっていますので、お使い頂けると非常に便利です。上級茶、中級茶、或いは深蒸し、浅蒸しによっても比重が違いますので、体積で計るのは多少誤差がでますが一応の目安として、春木屋の商品では、早春ゴールド・早春グリーン・特上かりがねクラスで料理用の計量スプーン小(5CC)で、約3g(一人分)です。「春のあけぼの」は多少軽くなりますが、抹茶入りなので同じ目安で良いと思います。
極意3 お茶の葉が開ききらないうちに。
次は、あらかじめ人数分の湯飲みに入れて冷ましておいたお湯を、急須に移します。湯の温度は70度~80度くらいです。
<お茶の抽出時間>
急須の中のお茶の葉が開きかけたら飲み頃です。
握り拳をグーから力を抜いてみてください。パーになったら開きすぎ。グーから少しずつ開いていってパーになる直前、軽く開いている頃が飲み頃です。急須のふたは「蒸らす」「香りが抜けない」「冷めない」為に閉めておくものです。「グーからパーになる途中」というのはガラス製透明急須でなければ見抜けません。お茶の種類にもよりますが、「ゆっくり待つ」(約90秒)・・・一応の目安です。
極意4 湯呑に均一に注ぐ。
茶葉がゆっくり開くのを待って、どの湯呑みも均等な濃度になるよう回し注ぎをします。
うま味が凝縮した最後の一滴まで絞りきるのがポイントです。
<お茶の注ぎ方>
一人分の場合は関係無いのですが、二人分以上になる場合は濃度によって味も香りも違ってきますので不公平です。一気に一杯分を注ぐのではなく、数回に分けてなるべく均一になる様に注ぎましょう。そして、最後の一滴まで注ぎきるのがポイントです。
極意5 最後の一滴まで注ぎきる。
お茶を注ぐ時、最初の一滴よりも最後の一滴の茶のエキスの方が濃くおいしいものです。必ず最後の一滴まで注ぎきりましょう。注いでしまったら、急須のふたは開けておきましょう。そして、注ぎ口側に寄ってしまった茶葉を、急須の横をたたいて真ん中に戻しておきましょう。
完全にお茶をしぼるのには、2煎目をおいしく飲むという目的もあります。茶葉が湯に浸っていると、うま味だけでなく時間とともに余分な苦味や渋味まで浸出してきます
<2煎目もおいしく>
お湯の量を計ったら少し湯を冷まし(80℃位で良いでしょう)、1煎目よりも早く、サッと湯呑みに注ぎ分けます。1煎目よりも少し渋味が増しますが、この味わいが好きな方もおります。この時も必ず最後の一滴まで注ぎきりましょう。
極意6 お茶の葉を継ぎ足しはせずあけかえる。
お茶のうま味や有効成分は2煎目でほとんど出きってしまうので、2煎目を入れたら茶葉を交換しましょう。味が落ちても3煎目まで飲みたい時は、やはり最後の一滴まで注ぎきっておきましょう。味が薄くなったからといっても、お茶の葉の継ぎ足しはおやめください。茶ガラを捨て、新しい茶葉で入れなおしましょう。
これであなたもお茶名人です! おいしいお茶を、お楽しみください。